パーソナライズド広告のKPIを立てる前に
パーソナライズド広告のKPIを見立てる前に、測定基準について基本的な考え方を理解しておくことが大切です。KPIをマネジメントする上で以下の2つを理解していきましょう!
目的(KGI)
KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)とは、最終的に目指す目標のことです。
Web集客におけるKGIは、会社や事業部の売上目標など会社の経営目標の数値を設定することが多いです。
例えば、ECサイトのWeb集客において、ECサイト経由の売上目標が月300万円なら、この300万円がKGIとなります。
目標(KPI)
KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)とは、KGI(=ゴール)にたどり着くためのチェックポイントやマイルストーンのことです。
Web集客におけるKPIとは、サイトへのアクセス数、コンバージョン率、CPAなど、アクセス分析や実際の販売結果などで分かる数字(指標)になることが多いです。
KPIは、必ずKGIにつながっていなくてはいけません。例えば、ECサイトのKGI(ゴール)が売上であるなら、KPIは売上に関わる「顧客数」「成約率」などが考えられます。
KPIは「きちんと筋が通っていて、分かりやすく、誰でも確認できる目標」がよいとされています。
パーソナライズド広告のKPI・理想となる目標値とは?
パーソナライズド広告をSMSで行った場合のKPIは、CTRやCVR、ROIとなるでしょう。それぞれの説明と改善ポイントをご紹介します。
CTR(クリック率)
CTRとはClick Through Rate(クリック・スルー・レート)の略語で、日本ではクリック率、クリックスルー率とも呼ばれます。CTRは「広告が表示された数に対して広告がクリックされた回数の割合」のことで、以下の計算式で算出されます。
CTR(クリック率)=クリック数÷インプレッション数
広告がクリックされた数をクリック数、広告が表示された回数をインプレッション数と呼びます。SMSの場合は、以下のように考えられます。
インプレッション数…SMS配信数(到達数)
クリック数…SMSに記載した遷移先LPのURLのクリック数
CTRを測定すれば、配信した広告をどれだけの人が見てくれたかを測ることができます。もちろん、LPをクリックした後に商品の購入やサービスの申し込みをするとは限りません。
しかし、CTRを知ることで、広告に興味や関心を持って詳しい情報にアクセスした人の割合がどれくらいだったかがわかります。
CTRの改善のポイント
CTRが低くなるには、以下の原因が考えられます。
メッセージが適切でない
CTAが読者の行動を促していない
オファーが適切でない
ターゲットとする読者を間違えている
まずは、SMS配信先の顧客が合っていたか、顧客のニーズに答えるものであったかを考えましょう。その上で、メッセージは適切であったか、「もっと詳しく知りたい」と思えるような内容であったかを考えます。
CVR(コンバージョン率)
CVRとは、Conversion Rate(コンバージョンレート)の略語で、日本語では「顧客転換率」と訳されます。
Webサイトにアクセスが発生した場合、そのアクセスのうちどのくらいが、登録や購入、申し込みなどのコンバージョンに繋がったかの割合を示します。
CVRは、以下の計算式で求めることができます。
CVR=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)×100
一般的には、サイト訪問者全体に対して何人が購買や問い合わせなど、最終ゴールとする目標につながったのかを示します。
SMSの場合は、配信したLPを開いた人のうち、何人が申し込みや購買に至ったかの割合を示します。コンバージョンは「集客数×CVR」によって求められるため、Webサイト運営において、コンバージョンを獲得するためにCVRを向上させることは非常に重要です。
CVRの改善のポイント
コンバージョンレートは、キャンペーンの平均的な価値を算出するのに役立ちます。また、SMSと合わせて配信したLPの具体的な問題を指摘することができます。
CVRが悪いということは、LPは閲覧しているのに次のアクションに至っていないということなので、Webサイトの中身に問題があると言えるでしょう。確度を高めるにはユーザーがCVしやすいWebサイトに改善していく必要があります。
例えば、トップのメッセージはシンプルで伝わりやすいものか、読みやすいデザインか、さらにはユーザーのニーズに答えたり、課題を解決したりする訴求内容になっているかを考えます。
CAC(カスタマー・アクイジョン・コスト)
CACとは、「Customer(顧客) Acquisition(獲得) Cost(費用)」を略したもので、日本語ではそのまま「顧客獲得単価」と訳されます。CACは、顧客1人を獲得するために費やしたコストを表す指標です。
企業は、顧客を得るために広告費や営業人件費など様々なコストをかけていますが、このようなコストをまとめてCACと呼びます。
CACの計算式は以下の通りです。
CAC = 顧客を獲得するために費やしたコスト ÷ 新規顧客獲得数
CACは1か月/3ヶ月(四半期)/1年など目的に応じた期間を定めて、「その期間で顧客を獲得するために投資した金額の合計」を「獲得した顧客の数で割る」ことによって算出します。
SMSの場合は、配信料やLP制作料を獲得した顧客数で割ることで計算できます。CACが高いということは、ひとりの顧客を獲得するのにコストがかかり過ぎているということです。
CACの改善のポイント
CACが高い場合、間違った相手にSMSメッセージを送信しているか、購読者がオファーを価値あるものと感じていない可能性があります。
CACを計算することで、この値を下げることにつながる正しい決定を下すことができます。その結果、お金をより効率的に使うことができ、長期的にはより高い利益につながる可能性が高くなるでしょう。
ROI
ROIとは、「Return On Investment」の略称で、日本語では「投資収益率」や「投資利益率」とも呼ばれます。
ROIを算出することで、その投資でどれだけ利益を上げたのかを知ることができます。
ROIは、次のような式で求めます。
ROI=(売上ー売上原価ー投資額)÷ 投資額
ROIは、投資した費用でどれくらい利益が出ているのかを知りたいときに活用します。つまり、行った施策にどれだけ効果があったのかを正確に見極める材料になり、案件の成否についての判断基準としても活用することができます。
SMSでいえば、投資額は配信コストやLP制作料となります。ROIの数値が高ければ高いほど、うまく投資ができていると言えるでしょう。
ROIの改善のポイント
ROIを計測することでSMS配信にお金をかける価値があるのかどうかを見極めることができます。
例えば、SMSマーケティングが他のマーケティングチャネルよりも良い結果をもたらすのに気づいたら、SMSマーケティングにもっと投資することを検討することができます。
オプトアウト
アプトアウトは解約率のことで、メール購読の解除(解約)が行われた割合を表します。オプトアウトは以下の式で求めることができます。
オプトアウト=解約数÷メール送信数
オプトアウトが高い場合は、受信者が不快と感じるようなメールとなっていないか、メールの内容や配信頻度を見直す必要があるでしょう。
オプトアウトの改善のポイント
オプトアウト率が高いということは、メッセージに問題があるということです。以下の項目を考えることで改善をはかりましょう。
お客様にSMSメッセージを送信する頻度は?
頻度が高すぎるのでは?
適切なタイミングでメッセージを送信していますか?
私のオファーは加入者にとって適切なものか?
顧客に価値を提供できているか
目標を設定して、パーソナライズド広告のKPIを達成しよう
パーソナライズド広告で意識すべき指標をご紹介しました。
すべて一度は耳にしたことがある言葉かと思いますが、それぞれが何を指すのか、どう繋がるのか、どう改善したらよいのかは、実際の数値を当てはめながら考えていきましょう。